眼精疲労

<背景・疫学>
眼精疲労とは、視作業(眼を使う仕事)を続けることにより、眼痛・眼のかすみ・まぶしさ・充血などの目の症状や、頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいう。

<原因>
度の合わない眼鏡を使用していたり、老視(老眼)の初期などで無理な近業作業を行った場合や、緑内障や白内障でも眼精疲労が出現することがあり注意が必要です。最近は、特にパソコンなどを使用する機会(VDT作業)が増えたため、これが原因の眼精疲労が増えている。
 その他、全身疾患に伴うもの・心因性のもの・環境によるものなど、眼精疲労をもたらす要因は非常に多岐にわたる。

<一般的治療法>
原因を特定し、それが発見されれば排除することが必要となる。
眼鏡が合わない場合は作り直したり、目の病気が発見されれば治療することが亜必要となる。パソコンを使用する機会の多い人は、適度な休息を取りながら行うことが非常に大切。眼精疲労に特効薬はないが、ビタミン剤の配合された点眼薬や内服薬が有効である場合がある。

仮性近視

<背景・疫学>
真性の近視ではなく、目の調節による一時的な近視のことをいう。ただし、仮性近視でも目の緊張を取り除かないで放置していると、近視が進行する場合がある。

<原因>
焦点をあわすには、眼球の中のレンズ(水晶体)がふくらんだり伸びたりする。このレンズを動かすための筋肉が毛様体筋である。毛様体筋が収縮することで水晶体が厚みを変え焦点を合わすことができる。この毛様体筋の過度な収縮により調節しすぎる状態(調節緊張状態)になるのが仮性近視である。 緊張した状態を長く続けていると、仮性ではなく本当の近視になることがある。

<一般的治療法>
本来の近視であれば治療しても改善は難しいが、毛様体筋の過緊張で引き起こされた仮性近視であれば改善は可能となる。
治療は点眼剤の処方や、調節緊張緩和装置などの医療機が用いられる。
また、正しい姿勢でのV D T作業や遠くを見つめる、目を酷使しないなどの指導が行われる。

白内障

<背景・疫学>
白内障とは、眼の中のレンズの役割をする水晶体が濁ってしまう病気。
白内障は、加齢に伴って発生する場合が最も一般的で、自覚症状が無い場合が多いで、50歳代で37~54%、60歳代で66~83%、70歳代で84~97%、80歳以上ではほぼ100%と報告されています。
また、少ないながらも先天性の白内障もあり、子供でも白内障手術をする場合がある。
水晶体とは人間の眼の中にある組織で、外から入ってきた光を屈折させて網膜に像を写す、カメラのレンズのような役割で、物を見るために非常に重要な組織。

<原因>
水晶体が濁るという状態は、水晶体の細胞内に存在するクリスタリンタンパクというタンパク質の異常変質によるもの。
クリスタリンタンパクは、本来であれば非常に小さく、水晶体の働きを邪魔することはないが、クリスタリンタンパクを構成しているアミノ酸が、様々な要因によりストレスを受けることで、異常なサイズの塊へと成長してしまう。これにより、水晶体を通過するべき光が眼の奥に届かなくなったり、反射して眩しくなったりしてしまう。
また加齢に代表される酸化ストレスによるものも原因とされる。

<一般的治療法>
日常生活に支障が出ていない程度であれば、進行予防のために点眼剤などの処方が行われるが、完治には手術療法が唯一の方法となる。
加齢性の白内障は酸化ストレスが原因となることが多いため、アンチエイジングのための日常的な運動習慣や、バランスの取れた食事などが指導される事もある。

鼻炎

<背景・疫学>
鼻炎とは、鼻腔の粘膜に発生した、急性または慢性の炎症のこと。
鼻炎の原因は、感染、化学物質、アレルギーなど様々。鼻炎によって、呼吸性嗅覚障害が起こることもある。さらに炎症が広がれば、他の合併症が起こることも考えられる。

<原因>
分類ごとに原因は異なる。

急性鼻炎

主に風邪になった時にしばしば発生している、急性上気道炎の部分症として発生する。したがって、その原因はウイルス感染や細菌感染である。炎症が周辺に広がって副鼻腔炎や中耳炎などを併発することがある。なお、中耳炎を併発するケースは小児に多いとされているが、これは耳管の形状が小児と大人とで異なっていることが影響していると言われる。

慢性鼻炎

中には急性鼻炎が慢性化したことによって起こる場合もある。慢性鼻炎は、慢性単純性鼻炎と慢性肥厚性鼻炎とにさらに分類される。慢性単純性鼻炎は、その名の通り、鼻腔の粘膜に慢性的な炎症が起こり続けていることを指す。慢性肥厚性鼻炎は、慢性的な炎症が原因で、周辺組織が厚くなってしまっている状態のことを指す。

アレルギー性鼻炎
発作性反復性のくしゃみ、水性鼻汁、鼻閉を主徴とする鼻粘膜のI型アレルギーである。アレルゲンとなるものは、ハウスダストや花粉症に代表されるスギ花粉やヒノキ花粉が挙げられる。
アレルギー性鼻炎が最多であり、家族性や季節性の症状出現、また他のアレルギー疾患の併発が見られる傾向にある。

<一般的治療法>
アレルギー性鼻炎と非アレルギー性鼻炎で分かれる。
アレルギー性鼻炎の場合、抗ヒスタミン剤の処方やコルチコステロイドの点鼻薬の処方などがなされる。
また、アレルゲン物質の回避が重要となる。
非アレルギー性鼻炎の場合、急性鼻炎の場合には鼻腔拡張剤などの点鼻薬が処方される。慢性鼻炎の場合には原因へ対処が重要となる。

副鼻腔炎

<背景・疫学>
鼻の中は「鼻腔」と「副鼻腔」とで構成されている。副鼻腔炎とは、鼻腔の周りにある副鼻腔が炎症を起こす病気。副鼻腔は、顔の左右にそれぞれ4個ずつ、合計8個あり、その中には空気が入っていて、小さな穴で鼻腔とつながっている。副鼻腔の表面には薄い粘膜があり、粘液を出す役割、さらに、線毛という小さな毛がたくさん生えていて、粘液を鼻腔のほうへ押し出す役割を果たしている。

<原因>
副鼻腔炎には、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎とがある。
急性副鼻腔炎
主に細菌やウイルス感染が原因で起こり、症状は1カ月ほどで治まる。風邪などで細菌やウイルスに感染すると、鼻腔が炎症を起こして鼻腔と副鼻腔をつなぐ穴がふさがることがある。この穴がふさがると、鼻腔への粘液排出がうまくいかなくなり、副鼻腔内の粘液に細菌やウイルスが繁殖して膿がたまり、急性副鼻腔炎を引き起こす。副鼻腔の中で膿がたまると、腫れて眼や頬のあたりに痛みなどの症状が出ます。また、膿が鼻水と一緒に出てくるため、透明ではない黄色のネバネバとした鼻水が出るという特徴がある。
慢性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎が長引いたり繰り返されたりして、その症状が3カ月以上続く副鼻腔炎のことを指します。
また、近年話題になっている副鼻腔炎で、「好酸球性副鼻腔炎」というものがある。好酸球とは、アレルギー性鼻炎や喘息などアレルギー反応に関わる白血球の一種。アレルギーを持つ人がかかりやすく、効果の高い薬はステロイドのみだが、ステロイド治療を止めると元に戻ってしまう傾向が強いのが特徴。近年、アレルギー性鼻炎患者の増加によって、好酸球性副鼻腔炎を発症する人が増えてきているが、根治が難しく、現在も研究が続けられている。

<一般的治療法>
急性副鼻腔炎の治療には、抗菌薬が使用される。通常、2週間程度服用を続ければ完治するとされるが、それでも治らず症状が3カ月以上続く場合は、慢性副鼻腔炎と診断される。
慢性副鼻腔炎になると、マクロライド系の抗菌薬を少量ずつ飲み続ける治療を行うことがある。この薬は、細菌を殺す作用のほかに、粘膜の炎症を抑える作用があるといわれている。
合わせて、線毛による排出機能を高めるために去痰剤を使用される。その他の治療法としては、鼻の中を洗って膿を出し、できるだけ膿を残さないようにする「鼻洗浄」という方法がある。それでも改善されない場合には、詰まっている穴を広げて、中の膿を吸い出す手術が行われる。

耳鳴り

<背景・疫学>
一般に耳鳴りは、難聴とともに出現することが多いとされている。このありふれた病態は、軽い不快感から、不眠、ときに鬱状態など、大小のストレスを引き起こしうる。
耳鳴は本人にしか聞こえない自覚的耳鳴と、外部から聴取可能な他覚的耳鳴に分類される。急に生じた耳鳴りが急性感音難聴の唯一の自覚症状であることもあり、早めに一度は耳鼻咽喉科を受診するべきであると考えられる。また、頻度は少ないものの、脈拍と同調する耳鳴の一部に、腫瘍や血管病変に起因するものがあり、注意が必要である。

<原因>
さまざまな原因により、耳鳴りは発症する。
・日常生活の精神的ストレス、生活習慣の乱れなどによる自律神経の乱れ
・大音量で音楽をヘッドホンで聴く習慣によるもの
・耳垢などによる耳道閉塞
・耳鳴りを引き起こす疾患(突発性難聴、メニエール病、中耳炎、ラムゼンハント症候群など)

<一般的治療法>
慢性中耳炎など中耳疾患が認められれば、保存的治療・手術的治療が行われる。感音性難聴であれば、ビタミンB12製剤、循環改善剤などが処方され、数か月服用して効果がなければ牛車腎気丸、釣藤散、柴苓湯などの漢方薬が処方される。
ストレスなどの要因が大きい場合には、環境改善やストレスマネジメントが行われる。

難聴

<疫学・背景>
音が聞こえにくい、言葉が聞き取りにくい、あるいはまったく聞こえないといった症状を難聴という。聞こえの程度は人によって異なる。高音だけ、あるいは低音だけなど聞こえにくい音域がある人もいる。症状が片方の耳に難聴(一側性難聴)のある人も、両耳に難聴(両側性難聴)のある人もいる。
25dBの音が聞こえない場合を難聴と定義している。

<原因>
耳の構造は、「外耳」「中耳」「内耳」の3つに分けられ、外耳と中耳は音を伝える役割、内耳は音を感じて脳に伝える役割をしている。
これらのどこか、もしくは脳に障害が起こると、難聴が起こるが、障害が起きる部位によって以下の3つに分類されている。

・伝音性難聴
外耳道から中耳道までに問題がある場合。

・感音性難聴
内耳から聴神経に問題がある場合。

・混合性難聴
伝音性・感音性どちらの性質もある場合
難聴をきたす疾患として多いものは、
突発性難聴、老人性難聴、メニエール病、騒音性難聴などが挙げられる。

<一般的治療法>
突発性難聴の場合、ステロイドホルモンの漸減療法を血漿増量剤の点滴と組み合わせて行います。ビタミン溶液、ATP製剤溶液なども同時に加えます。大体7~10日間、毎日点滴を施行し、自覚症状と聴力検査で評価します。
また、感音性の難聴の場合には人工内耳や補聴器が必要となる場合がある。