最近は膨大な情報量の中から自己判断で情報を選ぶことができる時代になりました。便利な反面、間違った情報を取り入れてしまうと大きな問題を引き起こすことにもなりかねません。特に、体に関する情報は、その情報源が専門家によるものかをしっかり見極めることが大切です。 本コラムでは、肩こりは何が原因で起こるのか?どんな姿勢や状況が肩こりを引き起こすのかに触れながら、国家資格の臨床家からの肩こりの改善に向けた具体的な知識とアプローチ方法について紹介していきます。 より快適な体を一緒に取り戻しましょう! 記事内容 1.知ってる?肩こりを誘発する姿勢 2.肩こりの原因 3.肩こりが治るメカニズム 4.肩こりに有効なストレッチ 5.肩こりに関するよくある質問 1.知ってる?肩こりを誘発する姿勢 肩こりは多くの人が経験する辛い症状です。では、どのような姿勢が肩こりを引き起こしやすいのでしょうか?以下に肩こりが起こりやすい姿勢のいくつかを紹介します。 1.前かがみの姿勢 デスクワークやスマートフォンの使用など、前かがみの姿勢を長時間続けると、胸や肩の筋肉が縮んでしまい、肩こりを引き起こす可能性があります。 2.肩を高く上げた状態 ストレスや疲労によって肩が上がったままになることがあります。この状態では、肩や首の筋肉が緊張し、肩こりを引き起こす原因となります。 3.頭部の前方への突き出し 長時間デスクワークをしていると、意識せずに頭部を前方に突き出すことがあります。これにより、首や肩の筋肉が負担を受け、肩こりを引き起こす可能性があります。 4.一方向への偏った体勢 長時間同じ方向を向いたままの姿勢や、片方の腕を使った作業など、一方向への偏った体勢が続くと、肩や首の筋肉に負担がかかり、肩こりが起こりやすくなります。 5.モニターの高さや位置の不適切さ デスクワーク中にモニターが目の高さにない場合や、画面を見るために首をねじったり傾けたりする姿勢は、肩こりを引き起こす原因となります。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 上記の共通点として肩こりを誘発する姿勢は、 頭と肩が前に出て、背中(僧帽筋)が伸ばされ、胸筋が縮まった状態です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ では、上記のような姿勢により1部の筋肉が緊張すると、どうして肩こりが起こるのでしょうか? ↓その答えは下記にあります↓ 2.肩こりの原因 ○筋肉の緊張 長時間同じ姿勢を続けたり、過度な身体の負荷がかかると、肩や首の筋肉が緊張し、血行が悪くなります。これによって筋肉が凝り固まり、肩こりが生じることがあります。 ○姿勢の悪化 前かがみの姿勢や首を前方に突き出すなど、不適切な姿勢を続けることは、肩こりの原因となります。姿勢の悪化によって、肩や首の筋肉に過剰な負荷がかかり、緊張と凝りを引き起こします。 ○ストレス 心理的なストレスは、肩こりの要因となることがあります。ストレスが増えると、筋肉が緊張しやすくなり、肩こりが生じることがあります。 ○日常生活の運動不足 十分な運動を行わずに長時間同じ姿勢で過ごすことは、筋力の低下や血行不良を引き起こし、肩こりを誘発する要因となります。 ○環境の影響 デスクワークやパソコン作業など、長時間同じ動作や姿勢を続けることは、肩こりの原因となります。デスクや椅子の高さや位置、モニターの配置など、環境の不適切さも肩こりを招く可能性があります。 3.肩こりが治るメカニズム 肩こりは多くの人が経験する身体の不快感ですが、肩こりを改善するためにはどのようなメカニズムが関与しているのでしょうか?以下に肩こりを改善するメカニズムについて解説します。 ①血行促進と酸素供給の改善 肩こりの際には、筋肉が緊張し、血行が悪化することがあります。肩こりを改善するためには、血行を促進させることが重要です。適度な運動やストレッチ、マッサージなどは、筋肉の緊張を緩和し、血液の循環を改善することに繋がります。 ②筋肉の緊張の解除 肩こりは筋肉の緊張や凝りが原因の一つです。筋肉を緩めるためには、ストレッチやリラクゼーション法が効果的です。これによって筋肉の緊張がほぐれ、肩こりの症状が改善される可能性があります。 ③姿勢の改善 肩こりの改善には、正しい姿勢を保つことが重要です。適切な姿勢を維持することで、肩や首の筋肉にかかる負担が軽減され、肩こりが緩和されることがあります。 ④ストレスの軽減 ストレスは肩こりの要因の一つとされています。ストレスを軽減するためには、リラクゼーション法やストレス管理の方法を取り入れることが有効です。心と身体のリラックスを促すことで、肩こりの改善につながるでしょう。 これらの状態を作るためには、まず、肩こりの原因となる姿勢(頭と肩が前に出て、背中(僧帽筋)が伸ばされ、胸筋が縮まった状態)を改善する必要があります。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そのための理想的な姿勢は、 頭は背骨の真上にあり、肩は耳と同じ位置にくる姿勢です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 猫背が習慣化している人は、肩甲骨を後ろに寄せて大胸筋が伸びている感覚がかなりあるかと思います。 これは強制的に行うと筋肉痛や怪我の原因になってしまう可能性があるので、体が正常な位置に戻りやすいよう、下記のようにトレーニングする必要があります。 1、胸筋群のストレッチ(筋肉の柔軟性UP) 2、背中の筋トレ(筋力UP) 3、歪み改善(骨の位置の修正) 4、姿勢動作を習慣化するトレーニング 次に、この中から特に重要で取り組みやすい「ストレッチ」を紹介します。 4.肩こりに有効なストレッチ ここまでお話ししてきたことを踏まえて、肩こりと密接に関わる「胸筋」のストレッチをご紹介していきます。 当院では治療後にその方に合った、姿勢指導・動作指導・筋力トレーニング・ストレッチ・食事指導を行っています。慢性症状は特に、日常生活での習慣化した動作・姿勢が原因になることがほとんどですので、正しいホームワークをおこない【体が快適な状態】を知り、身についけることが大切です。 【巻き肩】肩こり・巻き肩改善!ストレッチ方法の紹介 ↑肩こりにまつわる筋肉の仕組みについても話しながらストレッチを教えてくれる動画です。1分半と短く簡潔に纏まっていますので、お忙しい方にもお勧めな肩こり解消法です! 【肩こり】改善!ストレッチ方法の紹介 ↑肩こり改善に重要な役割を持つ胸筋群についてもお話ししながら簡単なストレッチを紹介しています。 5.肩こりに関するよくある質問 肩こりを予防するためにはどのような対策が効果的ですか? 今回紹介した「胸筋ストレッチ」をはじめとした、【3、肩こりが治るメカニズム】の4つの方法を実践してみましょう。 長時間デスクワークをしていると肩こりが起こりやすいですか? 同じ姿勢が続くと血流が悪くなります。また、その姿勢が体に負荷をかける姿勢であればあるほど筋肉へのダメージや骨の歪みにつながりコリや痛みの症状になってしまいます。 肩こりの症状が続く場合、専門医に相談するべきですか? 軽い症状の場合はおうちでトレーニングを実践してみましょう。長期間改善しまい場合や、痛みが出た時、頭痛を伴う場合は早急に受診しましょう。