“体が冷えやすい” “夜は手足が冷えて眠れない” “寒さで集中できない” …などのお悩みを抱えている方へ 冷えは“万病の元”と言われるほど健康面において気をつけておきたいポイントですよね。 女性は特に低体温症や冷え性に悩む方が多いかと思います。 今回は、体温の仕組みと低体温症を引き起こす生活習慣についてお話しし、いつでもどこでもできる即効性のある体温を上げるための体操を紹介します♪ 記事内容 1.体温を作る仕組み 2.チェック!低体温を引き起こす生活習慣 3.体温を上げるための体操 4.肩甲骨を動かすと身体が温まる理由 5.体質改善治療 1.体温を作る仕組み 体温は生命維持活動において柱となる部分です。実際に私たちの身体の中では、“代謝活動”と呼ばれるエネルギー産生が様々な形で行われています。 例えば、 ・食物の消化 ・栄養素の吸収 ・細胞のエネルギー産生 ・血液循環など また、筋肉収縮(運動や活動を通じて筋肉が収縮する)により体温を上昇させます。 ー熱産生と熱放散で保たれているー 私たちの身体は、常に平熱(36〜37度)を保つために熱産生と熱放散を行っています。 熱産生とは、“代謝活動”と呼ばれるエネルギー産生によって体温をあげることを指し、熱放散は汗をかくことによって体内の熱を下げることを指します。 体温維持にはこの2つの機能が正常に働いている必要があり、それを行っている体内活動は以下のようなものがあります。 ◯外部環境によって調節 寒い時は代謝活動が活発になったり、筋肉を震えさせることで熱を作り出します。暑い時は代謝活動を低下させ汗をかいて身体を冷やそうとします。このように外部環境に合わせて体温を調節します。 ◯自律神経の調節 交感神経と副交感神経は体温の調節に影響を与えます。交感神経の活動が増加すると、心拍数や代謝が増加し、体温も上昇します。 ◯褐色脂肪組織 褐色脂肪組織は体温上昇に寄与する組織の一つです。食物からのエネルギーを直接熱に変換し、体温の調節を助けます。 これらの要素が複雑に絡み合い、体温を適切に維持しています。体温の調節は生命維持にとって極めて重要であり、「体温調節中枢」と呼ばれる視床下部や下垂体、甲状腺などの器官が中枢的な役割を果たしています。 2.チェック!低体温を引き起こす生活習慣 低体温を引き起こす可能性のある生活習慣について、ご自身の生活習慣と比較してみましょう! ◻︎食事のタイミングや栄養バランスが不規則である ◻︎タンパク質が取れていない ◻︎栄養バランスは意識していない ◻︎冷たい食べ物が好き ◻︎食事は冷えたものが多い ◻︎運動はしない ◻︎精神的不安や緊張する場面が多い ◻︎睡眠は6時間以内 ◻︎年中薄着 ◻︎入浴はせず、シャワーのみ ◻︎靴下を履かない これらは冷え性を引き起こす代表的な生活習慣です。 生活習慣は、その言葉の通り“生活行動の選択”として思考的にも習慣化してしまいますので、意識的にいつもと違う選択をしなければルーティンにのっとって同じ行動をしてしまいます。また同時に、体内活動も生活習慣に影響されて習慣化されます。例えば体温を上げやすい生活をしている方は、体内も体温を高くキープする力がありますが、常に冷えやすい生活をしている方は体温をあげる機能が低く、体質改善にそれなりの時間がかかります。 常に習慣化されていることを認識し生活を変化させていくことが重要です。 3.体温を上げるための体操 当院の国家資格保持臨床家による体操です。 この体操は、肩こりや頭痛に悩む方にもおすすめですし、体温を上げるためにも効果的です。 この体操が体温をあげる理由について、次に解説します。 4.肩甲骨を動かすと身体が温まる理由 肩甲骨を動かすことで身体が温まる理由はいくつかあります。 以下に、肩甲骨を動かすと体が温まる主な理由を挙げてみましょう。 1)血行促進 肩甲骨を動かすことで、周囲の筋肉に血液がより効果的に供給されます。良好な血行は体温を上昇させるとともに、酸素や栄養の供給も向上させます。 2)筋肉ほぐし 肩甲骨周りの筋肉を動かすことで、コリや緊張が緩和されます。これにより、筋肉が柔軟性を取り戻し、血行が改善されることが期待されます。 3)エネルギーの生成 褐色脂肪細胞が活性化します。脇や背中にある褐色脂肪細胞は脂肪を燃焼してくれます。また、肩甲骨を動かす動作自体が、一定のエネルギーを使いますので代謝を促進し、体温の上昇に寄与します。 4)新陳代謝の活性化 適度な運動によって新陳代謝が活性化されます。新陳代謝の増加は体温の上昇につながり、体の各部位で生じる化学反応が加速します。 5)筋温度の上昇 運動により筋肉が収縮・拡張することで、筋温度が上昇します。温かい筋肉は血流がより活発になり、これが体温の上昇に寄与します。 体温が1℃上昇すると基礎代謝が12%上昇すると言われております。 この体操を行うことで、肩周りの筋肉がほぐれ、血行が促進されるため、体温が上昇しやすくなります。 特に寒冷な環境や座りっぱなしの長時間の作業後に行うと、リフレッシュ効果も期待できます。 簡単にできる方法ですので冷えを感じた時やお出かけ前に実践してみましょう。 5.体質改善治療 基礎疾患があった上での冷えは、疾患への治療が優先されます。 冷え性は、生活習慣病の側面があるため、生活習慣を改善することで、ある程度の予防・改善をすることが可能です。 基本的に⻄洋医学では病気とみなされず、自律神経失調症、症状によっては手指が白くなるレイノー病と見なされますが、東洋医学では未病、病気のサイン、重大な病気の誘因になると考え、体質や性別、症状により以下のような漢方が処方されます。 桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ) 加味逍遙散(カミショウヨウサン) 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン) 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ) 補中益気湯(ホチュウエッキトウ) 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ) 五積散(ゴシャクサン) 大建中湯(ダイケンチュウトウ) ⻄洋、東洋に共通して求められることは、ストレス環境などを改善し、自律神経バランスを整え、適度に体を動かすことです。 当院の治療では、以下のようなプログラムがあります。 ①アロマオイルマッサージ アロマセラピーは、香りを使ってリラックスや気分の改善を促進する方法です。特定のアロマオイルが血行促進や体温調整に寄与するとされ、冷え性対策に利用されることがあります。 ②カイロプラクティックや鍼灸療法 カイロプラクティックや鍼灸療法も体質改善に役立ちます。当院では、高い知識技術を持った資格保持臨床家が複数の治療方法を組み合わせ行います。患者さんの生活と症状をしっかりカウンセリングした上で、AIと国家資格者による姿勢診断により、一人一人のお身体に最適なオーダーメイドの治療プログラムを提案します。同じ腰痛でご来院された方でも治療内容は異なります。現在の症状の改善と、症状の原因を見極め再発防止のために必要な適正な治療を心を込めてご提供します。