のぼせ

<背景・疫学>
顔や頭が異常に熱くなる感覚のこと。人前で緊張したときや、発熱しているときに見られることもあるが、病気が原因で起こるものがある。

<原因>
以下のような病気が原因となる。

一時的なもの
・風邪などの感染症
・熱中症

反復、長期間のもの
・更年期障害
女性の閉経前後に見られる症状で、主に女性ホルモンの減少によって自律神経のバランスが乱れることで起こる。いらいらする、動悸、めまい、肩こり、生理不順などの不快な症状とともに、顔が突然のぼせたり、火照ったように感じられる「ホットフラッシュ」という特徴的な症状が現れる。

・自律神経失調症
疲労や精神的ストレスが原因で自律神経の乱れが生じ、倦怠感や頭痛、めまい、不眠、手足のしびれ、動悸などともに、のぼせやほてり感が現れることもある。

・甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、代謝が亢進状態となり、慢性的なのぼせの他、やたらと汗をかく、体重減少、首周りの腫れなどが現れる疾患。

・高血圧
もともと高血圧を指摘されている方で、何らかの原因によりさらに急激な血圧上昇を招いた場合、のぼせ感として現れることがある。のぼせが起きるほか、頭痛、めまい感が起こることもある。

・真性多血症
赤血球が多くなり、血液量が増えた状態。成分が多くなることで血液の粘り気が強くなり、細い血管を通りにくくなるため、脳梗塞などのリスクが高まる。原因不明だが、遺伝子異常が指摘されている。症状はのぼせの他、頭痛、めまい、ふらつきの自覚など。

<一般的治療法>
疾患がある場合にはその治療が優先される。感染症などにより実際に発熱が起きている場合には解熱剤などの処方がされる。自律神経のバランスを取り戻すために、ストレス環境から離れたり、睡眠時間の確保など生活習慣の見直しなどが行われる。