夜泣き

<背景・疫学>
生後半年頃から1歳半ぐらいの乳児にみられる、「夜間の理由のわからない泣き」をさす。昼間はとても元気に遊んでいて寝る前までは機嫌も悪くなかったのに、夜間になって急に泣き出し、あやしたりしても泣き止まない状態のこと。
夜泣きが始まる時期や月齢は乳児ごとにまちまちであり、夜泣きがなかったという乳児もいる。日本では夜泣きを「疳の虫」によるものと考え、疳の虫封じなどの民間療法が取られている。

<原因>
はっきりとした原因はまだわかっていないが、睡眠リズムの発達過程によるものであると考えられている。
生後一ヶ月までの新生児期は体内時計がまだ機能していないので、昼夜の区別がなく、短いサイクルで「泣く」「寝る」を繰り返している。夜間に泣き出しても、授乳により満腹となることで落ち着く場合が多い。
生後5ヶ月頃になると体内時計が働きだし、睡眠リズムが形成され始める。この頃から、夜間にまとまって睡眠が取れるようになりだす。
乳幼児期は睡眠リズムやサイクルがまだ不安定であり、夢を見ているような浅い眠りのときに目が覚めてしまうこともある。また、知能が発達するために昼間の様々な経験が夢となり、それを夜間に見ているときに夜泣きをするのではないかと考えられている。

<一般的治療法>
病気ではないため、治療法というものは西洋医学では存在しない。
対策として取られやすいのは、抱っこで安心感を与えたり、声や音楽を聞かせること、生活リズムを整えていくこと等がある。