疳の虫

<背景・疫学>
疳の虫(かんのむし)とは、子供が興奮して夜泣きやかんしゃくなどを起こすことの俗称。医学的な用語ではなく、病気ではない。
昔は、体の中にいる「疳の虫」が悪さをして、赤ちゃんを泣かせてしまうと考えられており、夜泣きや癇癪がひどい子供に対して「疳の虫が騒ぐ」のような言い方をしていた。<原因>
「疳の虫が騒ぐ」という状態は、生後6~8ヶ月頃に起きやすいといわれる。これは赤ちゃんが生後6~8ヶ月頃に、見たことがある人とそうでない人を区別できるようになる「人見知り」という発達段階のひとつとされる。見知らぬ人を怖がったり、ママやパパなど信頼している人が目の前からいなくなって、不安を感じたりし始めることで起こる。
また、空腹や騒音などのストレスを受けて、疳の虫が騒ぐ状態になることもある。

<一般的治療法>
成長につれ改善されるものなので西洋医学において治療は不要とされる。
東洋医学においては、「虫封じ」として第3胸椎棘突起下端にある身柱穴に対してお灸を行う「ちりげの灸」が行われたり、ささない鍼である「ていしん」を用いて皮膚に接触刺激を与えることで不安感を減らす治療などが行われている。