生活習慣病(成人病)

<背景・原因>
食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称。
以前は「成人病」と呼ばれていたが、成人であっても生活習慣の改善により予防可能で、成人でなくても発症可能性があることから、1996年に当時の厚生省が「生活習慣病」と改称することを提唱した。

日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、更に脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などはいずれも生活習慣病であるとされている。
2017年(平成29年)の死因割合において、悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患の3大死因で51.4%を占めている。生活習慣病はこれらの危険因子であるが、2002年(平成14年)の調査では、人口のほぼ半分に相当する47%が、高血圧・脂質異常症・糖尿病、この3つのいずれかに該当するとされる。

<原因>
不適切な食生活、運動不足、ストレス過剰、喫煙、過度の飲酒などの不健康な生活習慣など。これらが原因で様々な疾患が起こるとされるが、中でも喫煙は日本人の死因のほとんどのリスクファクターとされるほど、生活習慣病との関連が強いとされる。

<一般的治療法>
生活習慣病の予防は、運動習慣や食生活、疲労、喫煙、飲酒など毎日の生活習慣を見直すことから始まる。ポイントとして、以下のようなものが指摘される。

・適正体重の維持
BMIとは体重と身長の関係から算出した、人の肥満度を表す指数。日本肥満学会によるとBMIが22の場合が標準体重。
   
・脂肪摂取の制限
脂肪は体のエネルギー源として、体内に備蓄される大切な栄養素。しかし、脂肪の摂りすぎは肥満の原因になり、体に悪影響を及ぼすことがある。

・野菜の摂取量の増加
野菜に含まれる食物繊維は、満腹感を与えるので食べ過ぎを防ぐ。野菜を1日に350g以上摂取することが求められる。

・1日3食、規則正しく食べる
食事の回数を減らしたり、間隔があきすぎると、エネルギーをためこもうとして太りやすい体になる。なるべく決まった時間に、決まった量を取ることで代謝の低下を防ぐことができる。

このほかに 
・運動習慣をつける
・睡眠をとる 
・禁煙する
・飲酒量を守る
・規則正しい生活リズム
などで生活習慣病の予防ができる。